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心を見るということ②

知識で見るということの影

私は相談者の心を理解しようとするとき、

心理学の知識を手がかりにしていた。

それは、地図を見ながら風景を眺めるようなものだ。

地図は便利だ。

しかし、地図ばかり見ていると、

風の匂いも、木々の揺れも、

その人の声の震えも、

いつの間にか視界からこぼれ落ちてしまう。

知識は過去の蓄積であり、

心は今この瞬間にしか存在しない。

職場での会話でも、

家族との対話でも、

私たちはしばしば「知っているはずの何か」を先に探してしまう。

その瞬間、相手の心の風景は、

ほんの少しだけ見えにくくなる。

(「心を見るということ③」につづく)

(花町宰)

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