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心を見るということ④

現場で起きた変化

私は、知識という安全な岸から一歩離れ、

相談者の心という水面にそっと手を伸ばすようになった。

すると、世界は少し違う姿を見せてくれた。

相談者の感情は、

押しつけられることなく、自然に深まっていく。

私が判断を控え、ただ受け止めると、

相談者自身が自分の心に触れやすくなる。

時には、私の心にふっと浮かんだ思いを

そっと投げかけることがある。

その言葉が小さな石のように心の水面に落ち、

静かな波紋となって相談者の内側へ広がっていく。

その波紋が、

押し込められていた感情をそっと掬い上げることがある。

その瞬間、

「心を見る」ということの意味が

確かに形を持って立ち上がる。

(「心を見るということ⑤」につづく)

(花町宰)

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