言葉が胸に落ちた瞬間
カウンセリングの報告をしていたある日、
ココロちゃんは私の話を静かに聞き終えると、
まるで部屋の空気を少しだけ澄ませるように言った。
「あなたは知識を見ている。心を見ていない。」
その言葉は、鋭さよりも静けさを帯びていた。
胸の奥に落ちたその一滴は、
私の視界の奥にある“ものの見方”そのものを揺らした。
人は、誰かの言葉に触れたとき、
それが自分の内側のどこに響くかで、
その後の歩みが変わることがある。
この言葉は、まさにそういう種類のものだった。
(「心を見るということ②」につづく)
(花町宰)
