なぜ人は“自分の位置”から相手を見てしまうのか
寄り添うことが難しいのは、
人間の脳が「自分基準」で世界を解釈するようにできているからです。
私たちは、生き延びるために
「自分にとって有利か不利か」「安全か危険か」を
瞬時に判断するように設計されています。
家庭で身につけた価値観、
学校で学んだ常識、
社会で適応するために覚えた行動様式。
それらはすべて「自分を守り、自分が生き抜くため」に形成されてきたものです。
こうした中で築かれた「自分基準」と「自分中心の視点」を外していくには、
意識的な努力と、繰り返しの訓練が必要になります。
無意識のズレが生まれる
たとえば、「親は子を愛するものだ」という前提を当然と思っている人が、
虐待やネグレクトを受けて育った人の話を聴くとき、
その前提が相手を傷つけてしまうことがあります。
自分にとって“当たり前”のことが、 相手にとっては“当たり前ではない”。
この無意識のズレが、寄り添いを難しくします。
寄り添うとは、
自分のフィルターをいったん外し、相手の世界をそのまま見ようとする姿勢
です。
(「寄り添うということ③」につづく)
(花町宰)
