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丹田の働き②

すべてのエネルギーを使う

丹田で考えるとき、自分のすべてのエネルギーを使う」と、ココロちゃんは言います。

この言葉に最もふさわしい例として、

私は天才数学者・岡潔先生が大発見に至ったときの話を思い出します。

私は中学一年生の春休み、地方の会館で岡先生の講演を直接聞きました。

その内容に深く感動し、講演会で取ったノートを何度も読み返した記憶があります。

若き日の岡潔先生は、フランス留学から帰国すると、

誰にも解けなかった数学の超難問を自らのテーマとして選びました。

あらゆる角度から考え抜き、もうこれ以上は考えようがないというところまで掘り尽くしたといいます。

そこまで到達すると、考えようとすると眠ってしまう。

気分転換を兼ねて北海道の学者仲間の家を訪ねたときも、

あまりに眠ってばかりいるので「嗜眠性脳炎だ」とからかわれたほどだったそうです。

そんなある時、突然、問題解決の全貌が一望のもとに見えたといいます。

その全体像はあまりにも広大でしたが、思い出すようにして論文を書き上げ、

ついには三つあった難問をすべて解き切りました。

この「わかり方」は、頭で考えて到達したものではありません。

頭で考え尽くしても太刀打ちできなかったのです。

おそらく、眠っている間に岡潔先生の丹田が働き、

全身のエネルギーを総動員して答えを一望されたのでしょう。

その時に使われたエネルギーは、脳だけではなく、

全身・全存在のエネルギーであったと考えられます。

これは、仏教でいう「悟り」に近い種類のわかり方だと思います。

(「丹田の働き③」につづく) (花町宰)

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